京都市内の東方、東山の東福寺の南門をくぐり天皇家御陵のそばの閑静な高級住宅地に、この住宅は計画されました。 京都には町並みを保存するために風致地区、歴史的風土保存区域など景観に関する条例があり、屋根の形態・壁の材質等が厳しく規制されています。この家の設計にあたっては、周囲の環境と調和しながら、よい意味での差別化、存在感のあるたたずまいをどう表現するかに苦心しました。敷地は右下がりの道路に面し、全体が約1.
7メートルほど高くなっています。味わいのある既存の石組を生かし、近隣に対して違和感のない設計を心掛けました。
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全体の構成は、地下1階を車庫とし、来客が多いことから1階にお客様用のリビング、ダイニング・キッチンと茶室のある和室およびゲストルームを配しています。 2階は家族のプライベートなスペースで、
専用のリビング、ダイニング・キッチン、寝室、書斎などで構成されています。各部屋は裏庭に面し、どこにいても日本庭園を眺めることができます。 敷地なりに斜めに構成された玄関アプローチは既存の石組を改修し、広く深い庇がお客様を心地よく招き入れるとともに、外観にパースペクティブな効果を与えています。エントランスホールに入ると、奥の窓から裏庭を垣間見える構成になっています。 雨どいは一般的に庇の縁に設けられますが、この家では瓦屋根の先端の鋼板葺きの部分に忍ばせ、軒先のデザインをすっきりとさせました。時間が経過して鋼板に緑青が葺くころには、より落ち着いたたたずまいを見ることができるでしょう。
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〜自然素材が醸し出す「和」の落ち着きと味わい〜
室内の仕上げは、道産カエデのフローリング、タモの化粧材、珪藻土と京壽楽壁と本物の材料を用いて、古くなるほど深みを増し、味わい深いものになるように仕上げました。 また奥様がお茶をなさっているので、お茶会の時のためにリビングの一部を普段は隠されている障子のスクリーンで仕切り、茶室への広縁になるように工夫を凝らしています。
時間とともに住まいに使われたすべての素材が味わいを増し、京都の家並みにとけ込んでいくことでしょう。
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